FRBによる1998年の予防的利下げを振り返る
7月末、FRBは利下げを行うとの予想がされています。
本格的な景気後退に入る前の利下げ、つまり予防的利下げになるのですが、前回の予防的利下げと株価への影響を簡単に振り返りたいと思います。
上の画像は、前回の予防的利下げを行った1998年の内容になります。
- 当時、アラン・グリースパン議長は9~11月にかけて、0.25%の利下げを立て続けに実施
- 当時のFF金利は5.5%(現在は2.5%)。利下げを行ったあとも、4.75%と十分に余力がある状態であった
- 予防的利下げは成功し、米国景気を救った
- 利下げ後、株価の割安度合いを表す指数PERは上昇し、株価は下落した
以上のことから、今回のケースを推測すると
- 予防的利下げ後、株価が下落する可能性が高い
- 現在は利下げ期待を織り込み、株価が上昇しているが、利下げ後は企業の業績悪化や景気後退の方に投資家の意識が向くため、株価が下がるものと思われる
- 当時のPERの変化から、現在のNYダウに単純に当てはめると、およそ 800ドル~1,000ドル下落すると思われる
- 現在のFF金利は2.5%であり、当時と比較すると十分な余力がない点も注意
利下げ後、株価が大幅に下落する可能性が高い点に要注意ですね。しかるべきときに備え、キャッシュを十分に温存しておきたいと思います。